2人が口々にそんなことを言うのを聞きながら,俺はため息をついた。
森さんも智浩さんも,一見大人で男前だっていうのに実は抜けてて,そのくせ少年らしさは抜けきれてないとこがまったく同じだ。
としたら,3人でいるとき統制できんのって俺だけじゃねーか!
俺はそんな事実に思い至った。
でも,なんだかんだで森さんと智浩さんといるのはすごく楽しい。森さんとは昨日初めて会った感じがしなかった。それくらい,森さんと急速に仲良くなることができた。
「じゃあ30分後に出発!用意しとけよ」
森さんはそう言うと再び鏡に向きなおる。
そして俺と智浩さんも,それぞれに出かける準備を始めた。