長い間沈黙が続いた。
その間ずっと星空を見ていた。
そしたら空気の一部になれるような気がして…。
でも沈黙を破ったのは夜沢さんだった。
「おれは空気!」
…どういうこと?
「だから今、ゆずきちゃんは1人。1人ごとだと思って全部吐き出して?おれ聞いてないから」
この人は聞いてない……。
あたしはそう言われて、ネジが取れたように今までのことを全部吐き出した。
小さなころから1人ぼっちだってこと。
親が離婚したこと。
家でも学校でも1人ぼっちだってこと。
誰にも愛されていないこと。
本当はずっと寂しかったこと。
もう何て言ってるのか分からない。
ちゃんと日本語をいえてるのかどうか分からない。
でもあたしは、ひたすら今までためていた心の内を全部吐き出した。