私が教室をでて向かったのは、保健室。
ただ、サボりたかったから。
保健室へ入った。
だけど先生の姿が見当たらないので
「先生ー居ますか?」
と聞いてみた。
居ないんだな。と確信し、そこらへんのベッドのカーテンを開けた。
カーテンを開けた先。
そこには、
1人の男が眠っていた。
それは、同じクラスの、坂井 椿 だった。
私はこの男子を知っていた、
いつも窓側の自分の席に座り、ずっと窓の外を見ている。
私は、いつもその姿を見ていた。
坂井くんは、顔はカッコいいし、運動はできるし、勉強もそこそこの完璧人間だ。
だからつい見とれてしまうし、
時々見せる悲しい表情が忘れられない。
前に、悲しそうに笑ってみせた笑顔が忘れられなかった。
ここのベッドは坂井くんが寝ているからベッドを替えようと、カーテンを閉めた時。
「何か用?」
急に話しかけられたのでビックリした。
私はすぐに坂井くんの方を見る、
「ご、ごめん。間違ってカーテン開けちゃって...」
私は坂井くんにそう言った。
「そっか、いいよ。ちなみに保健室の先生、今日出張だから」
と教えてくれた。
「有り難う」
と私は言って、坂井くんの隣のベッドに移動した。