あれから、十分ぐらい歩いた。


「まだ?」
「もうちょい」


今、私達は森の中を歩いていた。


「道間違えてない?」
「間違えてないから、心配すんな」


そう言って、私の手を引いて歩き出す。


はぁ~……。
もぉ、どこでもいいや……。


そんなことを思いながら歩いている時だった、目の前に光が見えた。


「ついた!」


隼人が嬉しそうに言う。


私は隼人に続いて光の方へ一歩入った。


「わぁぁーーーー!!!」


私はついつい叫んでしまう。


ここは…………。
私と隼人の思い出の場所。


森の中に広がる、広場のような場所。


植物が美しく咲き、動物達が楽しそうに遊んでいる。
そして、その中央には大きな大きな木が立っている。


「隼人、この場所覚えててくれたの?」
「あたりまえだろ?」
「ふふ。嬉しいな♪」


私はニコッと微笑む。


さっきまで、混乱してたのに……
今、すごくリラックスしてる……。


私は目を瞑った。