「圭太!!」
私は、大きな扉を開ける。
そこには、傷だらけになった圭太と楽しそうに笑っているお母様がいた。
「舞華…なんで、戻ってきたんだ……」
「圭太を助けにきたの」
圭太は驚いているようだった。
「私のみならず娘は馬鹿ね。せっかく、華雷が助けにきたのにそいつと共に逝くことを願うとは」
お母様は一歩ずつ確実にこちらへ近づいてきていた。
「私は死ににきた訳じゃない。圭太を助けに来たんだよ」
そう言って、圭太の手を握って走った。
「走って、逃げられるわけがないでしょ?」
お母様がすぐに私の後を追ってくる。
「舞華、やめるんだ」
「やだ! 一緒に逃げよう」
私はただひたすらに走る。
何か…もっと、いい方法はないだろうか…?
このままじゃ、追いつかれる……!