そして、その時はやってきた。


いつも、静かな外が騒がしい。


「お迎えが着たようだね。さぁ、行こう」


そう言って、私はここにきて以来初めて部屋をでた。


暗い長い廊下がそこにはあった。


「さぁ、走るよ」


そう言って私の手を突かんで走り出した。


誰一人いない。
もう、みんな突然の訪問者のもとに行ってしまったのかな?


「もう少しだから」


たしかに、目の前に明かりが見える。
そして、階段をのぼると広く明るい場所にたどり着く。


そこには、大きな扉があった。


「あそこを出れば外だよ」


そう言った。


そして、扉の方へ走っていく。
その時、


「お待ちなさい」


そう、冷たい女性の声が部屋に響いた。