そう、笑い混じりに小さな声で告げられた。


兄…?
圭太が、私の…?
血は繋がってない…ということは、義理の兄ってこと?


「混乱させてごめんね」


そういって、私をそっとはなして、近くにあった椅子に腰掛けた。


私もそれに習って腰掛ける。


「僕は、この城に幼い頃に捨てられた」
「え……?」


机を挟んで正面にすわる圭太の顔色はひどく悪かった。


「そして、君の……」
「わかるから、続けて」


きっと、お母様のことだ。


彼はそっと頷いた。


「こんなこと、はなしていいかわからないけど…僕は拾われたけど、結局愛されてはいなかった」
「…………」
「たくさん酷いことをされた。君はおぼえていないだろうけどね…」
「…ごめんね」


圭太は首を横に振った。