「わかったよ」
沈黙を破ったのは圭太のこの言葉だった。
「わかったよ、僕が姫を絶対に退屈させない。だから…………なんでもない」
結局目をそらし、何かを必死に押さえ込んでいるように見えた。
「ごめん…私が変なこと言ったから……」
「そんなこと、ない。謝らなきゃいけないのは、僕の方だ」
「どうして?」
「それは……いえない…………」
今日の彼は何か異常だ。
どこか、体調でも悪いのかな??
なんか、いつもの圭太とちがうっていうか…
なんだろう?
「ごめん、ごめん…姫…いや、舞華」
そう言って、圭太にギュッと抱きしめられた。
あれ…?
知ってる……
この、温もり知ってる……。
でも、おもいだせない。