城に連れてこられてから、もう一週間ほどたった。


もう、ずっとこの部屋からでていない。
なにをするのにも、ここから出てはいけませんと言われ、ずっとこの部屋だけで生活してる。


「せめて…部屋の外にでたいなぁ……」


ボソッとつぶやく。


たまたま、部屋に入ってきた圭太はそれをしっかり聞いていた。


「帰りたいの次は、部屋の外にでたい、ですか?」


呆れたようにそう言われた。


家に帰りたいって言わなくなっただけでも、凄い進歩だっていうのに…
こんなことも言うなっていうの?!


「まぁ、何と言われようと出さないけどね」


不気味に笑う、圭太。


「どうして…出ちゃいけないの? せめて、それぐらい教えてよ」
「だめだよ」
「どうして?」
「言わないことが約束だからです」


そう言って指を一本たて口元にあてた。


まるで、見てくださいと言っているように。