「わかりませんね」


圭太は冷たい声でそういった。


わからない…?
おかしいでしょ…?



「僕らの方が泣きたいくらいだよっ」


そう言った圭太の顔はかなしそうだった。


「姫も、王子も…勝手に家を出ていって……きっと、帰ってきてくれると今まで信じて待っていたのに、どうして、帰ってきてくれなかったんですか?」


圭太の言ったことに嘘はないようだった。


そんなこと言われたって…
覚えてないんだから、仕方ないじゃない……
思い出したくたって、思い出せないのに……


「もう、わけわかんないよぉ」


誰か…誰でもいいから……
私を助けにきてよ……