もしかしたら、何か隠し扉みたいなものがあるかも…
こんなに、広いしきっと何か、抜け出すすべがあるはずっ。


そう思いながら私は部屋をくまなく見て回った。
もう、これでもかってくらいに……


だけど、手がかりになるようなものは何一つなかった。


「もう、本当に帰れないの……?」


私はポツリとそう呟いた。


こんな、よくわからない場所にいたくないっ!
帰りたいよぉ……
隼斗と華雷がいるところに…


「帰りたいよっ!! 返してよ、私の居場所を…返してよっ!!」


嘆くように叫んだ。


でも、ひろいこの部屋には私のこえなんて響かなかった。