「ルカ様のお父上、フラン様は、ルカ様にもっと人間のよさを知ってもらい、心を開いてほしいとお考えなのです」


「ちょっと、待って下さい」


私は、シキの話を遮った。


「あの、まだよくシキさんの言っていることがよくわからないのですが」


「シキで結構でございます」


シキは、微笑みながら言った。


「じゃあ、シキ。
今のシキの話では、とにかくその“ルカ”って人?悪魔?が人間を好きになればいいってこと?」


「まぁ……話が極端すぎますが、そういうことになりますね」


「あの、その話と私は何の関係もないのでは……」


私が言うと、シキはまたおかしそうにフフっと笑った。


「私達は、サラ様の日常を少しだけ監視させて頂きました」


「え?」


「それで、見事合格されたのです」


パチパチと周りから拍手が起こった。


でも、全く嬉しくないんですけど。

そもそも、合格の基準ってなんなわけ?