胸元に手を当て、深く一礼してきた。


思わずつられて、私も一礼。


――じゃなくて。


一体、ここはどこで

私はどうしてこんなところにいるのっ!?


「サラ様、ひどく混乱されていますね」


フフっと笑った彼。


いやいやいやっ。

笑いごとじゃないからっ!!!!


「何故、サラ様がこの敷地内にいらっしゃるのか。
私から説明させて頂きますね。
まぁ、立ち話も何なんで、館の方へ移動しましょう」


「……はぁ」


間抜けな返事をし、シキと名乗る執事のあとをついていった。


館の入り口までどのくらいの距離を歩いただろう。


無駄に広すぎだろ、ここ。

どんな金持ちが住んでんだよ。


っていうか、さっきのあのキレイすぎる男は何者?



疑問だけがどんどん増えていく中、私の口はさらにあんぐりと開いた。




「ようこそ、サラ様」