「ち…違う!」

「えっ?」

あわてて電話を切ろうとする麻柚を遮った。

違う。

忙しいんじゃない。

驚いたんだ。

麻柚がそんな風に言うことはあんまりないし、何より休みがとれたんだという驚き。

「早く…来て。俺もう限界…」

「…うん!」

最近よく思う。

麻柚を好きになってから、自分が弱くなった気がする。
すごく…女々しい。

毎日麻柚に会いたくてたまらんねーし、好きって言って欲しいし言いたいし…

こんなことは初めてで正直、そんな自分が嫌だった。
カッコ悪いから。


それから2時間後、麻柚が来た。


「教授っ!」

「麻柚…」

玄関で、急いでやってきたであろう麻柚を強く抱きしめた。


「教授…会いたかったよ…んっ…」


"俺も"と思いながらキスをした。
何週間ぶりだろう…。
麻柚にキスするのは…

久しぶりだからか、段々キスは深くなる一方だった。


「教授…大好き…」

顔が離れた瞬間そんなことを言われて抑えれるわけがない。

長く、深いキスをした。