―千穂―
秋から季節は冬に移り変わり、もうマフラーと手袋なしじゃ外に出られない季節となった。
「さっむーい」
外に出ると悠星がいた。
「はよ」
「おはよう」
「さみぃな」
「今回は特別寒いよ」
「毎年変わらないだろ」
「いや、今回はかなり寒い」
「本当意味わからねえ奴だな」
「だって本当だもん!あーさむさむ」
「じゃぁ手貸せよ」
「…え?」
「いいから。早くしろよ」
というと悠星は私の手を取り自分のポケットの中に一緒にいれた。
「…温かいか?」
「…うん」
…初めてだ。悠星と手なんか繋ぐの。男と手何てこうちゃんとしか繋いだ事ない。

…また空気重い…。
「あのさ」
「ん?」
「光輝。日本帰ってくるの知ってる?」
…え?どうゆうこと?
「し…知らない」
「高校からこっちの通うらしいよ」
「そう…なんだ」

…こうちゃんが…帰ってくる?もう会えないと思ってたこうちゃんが?

どこの高校…行くのかな…。