「はぁぁ…」
私にはもうすぐ逃げられない苦痛の日が待っている。
それは…
「受験かぁ…」
そう。私は残り5日に受験を控えている。
元々悠星と同じ高校を受験するつもりでいたのでなにかとちょうどよかった。
「てゆうか…掃除しなきゃ」
今日は土曜日。午後から私の家で勉強をすることになっている。
なのに今私の部屋は、泥棒が入ったように汚い。
「よし!掃除だ!」
気合いを入れ、大きなごみ袋を取り出した。
「グ~…」
「…の前に腹ごしらえ!」
私はリビングのある下の階へ降りていき、編み物をしているお母さんに話しかけた。
「お母さん~。何か食べるものない?」
「え?食べるもの?後で悠ちゃんくるんだからそれまで我慢しなさいよ。」
私のお母さんと悠星のお母さんは幼稚園、小学校、中学校と一緒にいるせいかこうちゃんの家と共にとても仲がいい。お母さんも"こうちゃん""悠ちゃん"なんて呼ぶ仲だ。
「えぇ~…腹が減っては何にも出来ぬって言うじゃん」
「戦ね。」
「間違えたの。パンあったかな~」
私はキッチンへ向かうと菓子パンを探しだし、部屋に戻った。