話そうとしたら涙が溢れそうになった。…けどそれをグッとこらえながら答えた。
「あのね…私ね…悠星が大好きなの…だからね…あのね…」
全部言い終わる前に私の視界が変わった。
びっくりして黙っていると私を抱き締めている悠星の腕の力が強まった。
「分かった。分かったよ。ごめんな…そんな思いさせて」
「ううん…私が悪い…あの時正直に言わなかったから…」
「お前は悪くないよ。だからそんな顔すんな。」
そう言って悠星は私のおでこから鼻へ。鼻から口へとキスをした。
短いキスも、今は長く感じて。
「千穂…俺と付き合って」
返事は決まってる。
「うん」
こうして私達の初めてのキスは屋上という、けしてロマンティックではないけど私にとっては忘れられない場所となった。
―キーンコーンカーンコーン
「あ…もう授業始まっちゃうよ。」
「そんなの今はいいよ」
「ん…ふぁ…」
ファーストキスは甘いっていうけど、本当にそうかも。
「千穂…可愛いよ」