―千穂―
「気まずいな…」
悠星とはあの日以来一度も話していない。
もちろんクラスも一緒だし、家も近いから顔合わせくらいはあるけど…。
最初の方は悠星の方からあいさつしてくれたりしたけどなんとなく気まずくて私から避けるような感じになってしまった。

学校につくと愛結と結衣が正門にいた。
「あ、やっと来た。千穂ー」
私は愛結と結衣がいる方へ駆け寄った。
「おはよ」
あいさつを交わすと二人から真剣な顔で質問された。
「川崎君と…最近あまりうまくいってないようだけど」
「あぁ…うん」
「あれから?」
「うん。この間私悠星と話したの。そこで悠星とは付き合えないって言ったの。そっからなんか気まずくなっちゃって私から避ける感じに…」
「千穂はそれでいいの?」
「え…?」
結衣からの問いかけになんと答えていいのか分からなくてそのまま黙っていた。
「千穂はさ、川崎君が大好きなんだよ。けど今まで友達としての期間が長かった分、ちょっと…引いちゃってるんじゃないかな?」
結衣の真剣な眼差しに黙って立ち尽くすしかなかった。
「あたしと結衣はこの間千穂のしたいようにしてほしいって言ったよ?けどあたし達が言ったことで千穂と川崎君が友達でもない関係にはなってほしくないよ」