私は今、自分に向けられた一つの想いを打ち消そうとしている。
―キキーッ
私は音のする方向へ顔を向けた。
「…よお」
「…うん」
「あっち…行くか」
私達は小さな公園の隅にあるベンチへと向かった。
「話って?」
「…あのね…やっぱり…悠星とは付き合えない」
私は自分の想いを全て悠星に話した。

―…。
重い空気が流れ続け、やっと沈黙を破ったのは…悠星だった。
「そうかそうか!やっぱりな!光輝の話をした時から答えは分かってたんだ。だから俺は大丈夫だから…そんな顔すんなよ」
顔が笑っていても心が笑っていない。
「でも…」
「いいから。気にするな。俺今からダチの家行くから送れねえけど…悪いな」
「ううん」
「じゃぁ先行け」
「え…あ…うん。じゃぁ…ね」
「おう!これからも友達としてよろしくな!」
「うん」
先に帰る時…振り返ったらベンチで伏せて泣く悠星の姿があった。