「で、お相手はもしや龍太郎お兄様…?」

「いや、龍太郎君はアメリカ留学中なの忘れた?
しかも制服よ、弟君に決まってるでしょ」

「あぅ、誠にございますか…」


龍太郎お兄様は唯一、私が三次元で惚れた完璧な殿方。
アメリカに行ったのは私がまだ中学生の頃だったか…
最後に思い切って告白したら〈良い女になったらな!〉とこれまたドストライクな振り方をして下さった。



「弟殿に会うのは始めてですな…
制服と言う事は、大学…
いや、高校生…!?
高校でお見合いを経験するなど、なんてオイシイ…!!!
ああぁ、どうして我輩が相手なんだ!
どうせなら同級生で、お互いどぎまぎする初々しい様を遠くで見たかった!
お互いが顔見知りなら尚更良いですな!!!」

「ぶつぶつ言ってないで、早く着替えに行くわよ。
お化粧もするんだからね?」

「只今参ります!」