あたしの名前は姫路 桃花。
今日から憧れの「桜浜学院」に行くはずだった。
いや、行きたかった。
なのにっ、なのにっっ!!!
「はぁぁぁぁぁっっ!!??」
なぜ、あたしはいまさけんでいるのだろう。
こんなことになったのは、あの、ちょっと・・・・
いや、かなりおかしいあたしの両親のせいだっ!
数時間前のこと・・・・・・・
「桃花、今日から高校生だな!」
「ここでっ!桃花ちゃんの高校を発表しま~す♪」
はいはい・・・・・・
はい?
「あたしの高校は、桜浜学院でしょ?」
そんなことぐらい覚えてるからね?
「何言ってるのよ、桃花ちゃん。あなたの高校は『空海high school』でしょ?」
くうかいはいすくーる?
ド・コ・ソ・コ!?
なんかさわやかな名前だなぁ~・・・・・
なんて思ってるヒマはなくて。
「いやいや、ちがうでしょ。一緒に申し込みに行ったでしょ!?」
「ああ、そこなら断っただろ?」
はいぃっっっ!!!???
なにいっちゃってるのアンタ。
「もう、桃花ちゃんっ!遅れちゃうわよ?はい、制服♪かわいいでしょ?」
「うわーっ!!可っ愛いーぃぃー!!」
うんうん、可愛い♪
って、のせられちゃだめじゃんさ!
「ちょっと、勝手に
「はいはい、せっかくの可愛いぃ~お顔がだいなしよ?」
なんて、思ってもいなことを口にするお母さん。
てゆーか!
「何でその、くうかい?high schoolになっちゃったのよっっ!!」
「制服がかわいいからよ♪かわいい桃花ちゃんにはかわいい制服が似合うでしょ?」
あたりまえのように話すお母さん。
どうしたらそうなっちゃうのか・・・・・・・
「いいじゃないか。似合うぞ?桃花。」
「ホント?じゃなくてっ!!」
「なーに?桃花ちゃんっ♪」
お母さん?
ものすごーくウザいです!
特にっ!
語尾に『♪』つけるな!!
「あっ、そうだったよ桃花!全寮制だから荷物もまとめてな?」
「桃花ちゃんがいなくなるなんて、寂しくなるわねぇ・・・・・・」
なんて、泣きまねをするお母さん。
「はぁ・・・・・・もういいよ・・・・行けばいいんでしょっ!行けばっっ!!!」
もうこうなったら、やけくそだぁ!
「あっ、車用意しといたからね♪」
「じゃあ、気をつけて行ってこいよ?お父さんたちも出かけてくるから。」
「ふ~ん・・・・・どこいくの?」
「レストランよ!ホテルのレストランでご・は・ん!」
はぁ・・・・・・・
聞かなきゃよかった。
よけいにムカついてきたよ。
「んじゃ、行きましょdarling?」
「そうだな!honey」
はぁー・・・・
ウザいです。ものすごく。
はぁ・・・・・・・
行きますか。
キーンコーンカーンコーン~♪
ね、やばくない?
あたしやばくないっ!?
「入学式から遅刻なんていやだぁぁ~!!!」
叫びながら必死に走っていたら・・・
ドンッ!!
「いったぁ・・・・」
誰だよっ!?
急いでんのにさっ!!!!
「ちょっと、アンタ・・・・・・・・」
文句言ってやろーと思ってたのに・・・
つかまってしまった。
ぶつかったそいつの青い瞳につかまってしまった。
「あの・・・・・ご、ごめんなさぁぃ・・・・・」
なぜか、そのなにも映していないような青い瞳の目力(?)に負けて、謝ってしまった。
カッコイイ。
まぁ、モテるだろうなぁ・・・・
なんて、思ってるヒマはなくて!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あのぉ・・・・?
この学校キ・タ・ナ・クナイデスカ?
壁には落書き、窓ガラスは割れまくり。
まるで、テレビで見る不良高みたいなんですけど。
・・・・・・・・・・・
なんでしょうか?
ぶつかったヤツはあたしのことをガン見してる。てか、睨んでる!?
『俺にぶつかっといてタダですむとおもってんのか?あ?』
とか!?!?
ヒイィっっ!!!!!!
焦りと怖さから、あたしは変な質問をしてしまった。
「あ、あのぉ・・・・・
ここはどこでしょうか・・・・・」
そんなわかりきってるようなコトを聞いた、
「・・・・高校だろ」
あたしが馬鹿だった。
・・・・・・・・・・・・
「んなこと、わかってますぅぅっ!!!
なんでこんなに不良高みたいなのかって聞いてんのっっ!!!」
ムカついて、いつもの口調になってしまった・・・・・
「ふっ・・・・つーか不良高じゃん」
笑いやがったっ!
って、ちがうよ!!
い、いま・・・なんて言った!?
「あのぉ・・・・もう一度おねがいしますっ!」
ここが不良高?
んなわけ・・・・・
「不良高じゃん」
やけに整った顔をしたそいつの口からはとんでもない言葉が飛び出してきた。
「・・・・・なんであたしはこんなとこいるんだ?
・・・・・・・・・・・て、入学式ぃぃっっっ!!!!!!」
そうだった!
入学式に行くんだったよっ!!
「あのっっ!!空海high schoolってどこですか!?!?」
「・・・・・・ここじゃん?」
「何を言ってるんだこいつは・・・・」的な顔して言うこいつ。
の隣に、パニック状態のあたし。
「あたしここに通うのぉぉっ!!」
叫び続けているということは、当然疲れるわけで・・・・・
「ハァ・・・・・ハァ・・・・ハァ・・・・」
息が切れてますね、はい。
「お前、一年?」
「えっ?・・・あっ、はい・・」
「へぇ」
なに、自分から聞いといてその興味なさそうな返事はっ!!
キーンコーンカーンコーン~♪
「ゲッ!終わっちゃった!?」
「・・・・別に、へーきじゃね?」
「・・・・えっ?」
「俺さぼってんし」
ナンダッテ?
「あの、あなたは誰ですか?」
あっ!間違えた・・・・・・
「何年生ですか?」だった。
「あ?お前、俺のことしらねーの?」
「うそだろ?」って顔してるけど。知ってるわけないじゃん。
あんた何様だよ!!
って、言ってやりたいけど・・・・
「・・・・・知らない」
「あ?」って言ったのがあまりに怖かったので・・・・言えない。
なんだよこの男。
ありえないって顔しちゃって・・・・
「あの、知ってるわけないじゃん。あたし1年なんだから!」
「・・・・・・・・・俺も、1年だけど?」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
そんなこと言われたって、
知らないもんは知らないんだからしょーがないじゃん!!
「初めてみた。・・・俺のこと知らないやつ」
だーかーら!!
アンタ何様だよっ!!!
ドでかいお天道様か!?
ああっ!?!?
はぁ・・・・・・・
もう、いいや。
「んじゃ、ぶつかっちゃってスイマセンデシタ!
って、ことで」
いま、「すいませんでした」がめっちゃ棒読みだったような気がする・・・
ま、いっか。
こんなヤツほっとけ!
そんなことを思いながら、教室に向かった。