私たちは、駅からすぐ傍の学園の校門目指し、だらだらと歩いた。


季節の移り変わりは早いもので、紅葉しかけた木々が、灰色だらけのアスファルトの道を彩る。


慣れ親しんだ夏服とも、あと数日で暫しの別れ。

奏鈴生でごった返す道に、夏の終わりを告げるヒグラシが、随分と遅い時刻に鳴いている。


ここのヒグラシには時間感覚が無いのだろうか?



……って、そうじゃなくて。




「……九条サン。私、居心地スッゴク悪いんだケド。」


「……それは俺も。身から出た錆とはいえ、ねぇ……」