(………ゲッ。)


あの高飛車な女はちょっと苦手。


少し焦って彼を見ると、視線に気付いたのか、こっちを見てニヤリと笑った。



「……あら、あなた、さっきの。」


女幹部が私に気が付いた。


どうしよ、また何か言われるんじゃぁ…



「―――錦戸(にしきど)さん。」


「あら、九条(くじょう)君じゃない。どうしたの?」


――あれ、知り合い?


親しそうに話す二人に、なんだか疎外感。


彼(どうやら九条と言うらしい。)に横抱きにされながら、居心地の悪さを感じていると、九条が私を抱いたまままた歩き出した。