「……え、何? ちょっと…」


「悪かった。」



反論すれば、今度は素直に謝罪の言葉が聞こえた。


でも、今はその謝罪の意味がわからない。



「俺のせいで間に合わなかったんだから、中まで送ってやるよ。」


「は!? だって、裏門も正門も、人でいっぱいだよ!?」


どうやって送るつもりなのだろうか、彼は近い方の裏門に向かって歩き始めた。


「大丈夫、ちゃんと届けるから。」


その言葉はどこから来るのか、平然と答えた彼にハテナマークしか浮かばない。


そうしているうちに、先程の女幹部の姿が見える。