重力に逆らわず、私の身体は固いアスファルトに向かって落下して行く。


無情にも、私は地面に強かに腰を打ち付けた。


痛みに息が一瞬止まり、けれども続くはずの後頭部への衝撃は、誰かの手らしき物に押さえられ、事なきを得た。



「――いっ、だぁあああ!!」


でも、腰の痛みは確かな物で。


骨砕けたんじゃないの、って位の激痛。


ほ、鞄は無事だった。よかった。



「おい、大丈夫か?」


頭上から降って来た、さっきと同じ声。


見れば、顔の整った同年位の男の子が、眉を寄せていた。