―――ぎく、り。 身体が強張った。


背後から聞こえた、訝しげな声。


既に2m程の地点に居た私は、その声に固まる。


「犯罪犯してまで、アイドルに会いたい訳?」


呆れたように、はあ、と溜め息をつかれた。


そして、追い討ち。


「……パンツ、見えてるよ。不法侵入女。」



思考が一瞬止まった。


(―――スカートなの、忘れてたぁああ!!!)


そして、その瞬間、塀にしがみついていた指から力が抜ける。


――ズル。


「――えっ、」


浮遊感。そして。


「っきゃああああ―――!!」