(……結局、追い返されてしまった。)



学園の外周をトボトボ歩いていると、目に留まったのは、なんとも上りやすそうな穴の開いた、少し高めの塀。



(…………これなら!)


意を決して上って見る。


……うん、いけそう。



内心ニヤリとして、自分が軽い不法侵入を犯しているとも考えず、台本の入ったバックをナナメ掛けにして、塀を上り進める。



(ミハル〜、待っててよ! お兄ちゃんのために私頑張る!)


内心だけでなく、顔までニヤついて来た、その時。



「……何やってんの?」