水泳の一件から、数日。


今日は水陽達のドラマの撮影だ。


……とは言っても、私はそこへ行くことはできないけど。



「……ふぁ〜、ぁ……?」


盛大に口を開けて欠伸をしながら、リビングへ入ると。


「……まずいんじゃねぇの、コレ。」


テーブルの上に忘れ去られた、所々破けた、台本。


中を見れば、水陽の字で所々書き込まれた、付箋や修正。


(………頑張って、るんだなぁ)


素直な感想だった。


これが無いと、きっと水陽は困るんじゃ、無いかなぁ。