苛立たしげに呟くと、志島君は水陽を連れて出て行ってしまった。


(……怒らせちゃった、かな。)


しょんぼりとする私を見て、気を静めた稚世はさっきまで水陽が座っていたパイプ椅子に腰掛ける。


「……志島も、心配してるんだよ。だって、真っ先に雛乃を助けたの、志島だから。」


「え……」


……志島君が。



「悪い事、しちゃったな…」


笑うなんて、軽率だった。


志島君は、私を助けてくれたのに。


「ま、そんなに気を落とさないで大丈夫だよ。雛乃は無事だったんだし。」


でも、と稚世は続ける。

「相談は早めに! あたし達親友なんだからね?」