鳴り響いた、授業終了の合図。


同時に騒がしくなって来た廊下。


水陽はただ、私を見詰めて、赦しを乞うように、涙を堪えて。


(……そんなカオ、見たく無いのに。)



わからないの。


どうしたら水陽が笑ってくれるのか、罪悪を感じずにいられるのか。


何て言えば良いのか、わかんないや。




――ガラガラ。 保健室の扉が開いた。


入って来たのは、水陽を回収しに来たらしい志島君と、稚世。


稚世は憤慨したように足音を立てて歩き、その後ろに無表情の志島君が続く。



「―――雛乃ッ! 何よあいつら! 何時からこんな事されたの!?」