「………何でも、無いよ?」


私を見てニコリと笑った水陽。


その顔は―――。


泣き出しそうな、無理をした作り笑顔。


ズキンと胸が痛んだ。





「………ゴメン。ヒナ…」



(―――…そんなカオ、しないでよ…)


整った水陽の顔が、悲痛に歪んだ。


…私の、せいで。


(あぁ、もう。何でこんな事には聡いかなぁ…)


きっと水陽は、解ってしまったんだ。


私が、何でいきなり溺れたのか。