「…………ぁ、みはる…」
視界に写った、整った顔。
双子の片割れ。
今にも泣きそうな、情けない顔してる。
「………ひな…っ、」
力任せに、抱きしめられた。
耳元で、ず、と鼻を啜る音が響いた。
……心配させちゃったかなぁ。
「よかった……、ヒナ………ッ、」
濡れた髪が頬に張り付く。
その感触がくすぐったい。
「ありがと、水陽…。ゴメン、心配かけて…」
もう、平気だよ。
口は動くのに、声は出なかった。
気付けば、指一本動かない。
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