―――バシャッ!


『ケホ、ケホッ……』



水を、ぶっかけられたらしい。


もうすぐ冬だというのに、容赦すら無いのだ。


女の嫉妬は、八つ当たりに近い。


(……そうだ、これは確か、中二の秋。)



水陽の人気は、デビュー前からも変わらない。


気の強い、何も知らないお姉様方に目の敵にされるのは、いつだって私だった。


水陽が女の子と話してたからって、何で私が攻められなきゃいけないのか。


それ以前に、水陽が誰と話そうが、私には関係無い。


だって、水陽は―――。



私の事が、昔から『大嫌い』だから。