いたい、いたい。


女の子は顔に傷なんかつけちゃいけません! なんてよく聞くけど、私の場合はもう手遅れだろう。


特に、恋を意識する年頃になってからは、生傷が絶えない。

私が意識をするように、周りの皆も、見目が良く外面の良い水陽を意識するから、だ。


「ひどいよ…っ、雛乃は悪いことしてないのにっ!! 水陽は何してるのっ!?」



「………」



知香子は、優しい子だった。


幼なじみの知香子は、水陽と私の不仲を知っていて、けれども仲を保とうとする……そんな子だった。


水陽は何故か知香子への態度を周りと変え、知香子だけに優しく接する事もあった。

水陽が彼女を好いていたのは明白で、だからこそ知香子に好かれ、いつも一緒の私を目の敵にしていた。


友情と愛情は違うというのに。