「俺とヒナには、不仲だった時もあったんだ。」


ハルは、空に浮かぶ入道雲を眺めてぽつりと零した。



あの作法室で授業をサボりながら、大きな窓から空を眺めて。


「…ケイ。ヒナの事好きだろ?」



なんとも無しに、こちらも見ずに。


「……。」


「俺さ、ぶっちゃけヒナにすっげー負い目が有るんだ。」



脈絡も無く、ハルはそのまま話を続ける。


雛乃と同じ顔をして。




「………だから、ちょっと俺のなっがい話に付き合って。雛乃と俺の、暗黒歴史。」



そうして、ハルと雛乃のエピソードが、明かされる。