許されちゃいけない。
好きになっちゃいけない。
それが、私の、私への戒め。
『アンタなんか、いなくなればいいのにっ!』
その声が、誰かを意識する度に、響いて。
『……ごめん…っヒナ……っ!!』
水陽の、小さな泣き声が。
「雛乃は悪くなかったでしょ!? なんでそれを今も!? 悲劇の主人公気取ってんじゃないわよっ!!」
「……でも、知香子(ちかこ)は――っ!!」
知香子。
水陽の、大切な、大切な女の子。
私が、いなければ、きっと今も……。
「―――雛乃!!!」
ばちん、と頬が鳴った。
知香子、の一言に、稚世が酷く反応した。
そして、私の心も。