「……、」



落ち着け私。


不謹慎だよ。


唇を噛んで俯いた。


そして、また時間だけが過ぎて行く。


かちこちと、時計の針の音が、今は耳を刺されるように、辛い。



だが、俯いたまま何も言わない私を見兼ねた稚世が、ぱんっと手を叩き、大袈裟に喋り始めた。


「と、とにかくっ! 安心したよ、雛乃。あんたはほっとくと何かしでかすんだからっ!」



グイッ、と腕を引かれた。


驚いて顔を上げると、稚世が、無言でついて来いと促す。



「じゃーお二方。雛乃は借りてくね!」


水陽と志島君にニッコリと微笑み、稚世は私を凄い力で私を教室の外に連れ出した。