「……ごめんね、お兄ちゃん。」


なんだか凄く悪い気がしてきた。


後ろで成り行きを見守る水陽や稚世も、心配そうに私達を見てる。


私の横に立つ志島君は、流石に気まずそうに顔をしかめていた。


「……すみません。俺が連れ出してしまって…」


志島君が謝罪の言葉と共に頭を下げる。


慌てて私も一緒に頭を下げた。


「……まあ、どうこう言うつもりはねーけど、お前らが無断でどっか行けば心配する奴も居るんだって、しっかり覚えとけ。」


それだけ言うと、水哉兄ちゃんは次の授業へ行ってしまった。

頭を上げた私と志島君は、どちらからでもなく顔を見合わせる。


「………。」


でも、なんだか気恥ずかしい。


改めて顔を見れば、私はそのキレイな唇に触れられて、求められたのだと考えてしまう。