「………」



「「………」」



休み時間の鐘が鳴っても、動こうとしない志島君。


隣で固まる私と稚世。



「(ちょっと、雛乃。何なのアレ。)」


「(私に聞かないでよっ! さっきからあんな調子だよ)」



たまにちらりとこちらを見る志島君。


それに怯えながらヒソヒソと話す私たちは、何だか蛇に睨まれた蛙みたい。


彼には聞こえてるんだろうけど、表情を崩さない。


この空気を打破する誰かが来ないものか。


そう思った矢先。