「…………………」



沈黙。沈黙。


無表情にこちらを見つめる彼の瞳に、う、と声を漏らした。


視線が泳ぐ。 どっちって、私の。


音の無いこの短い時間が、どれ程長く感じられたのだろうか。


何より辛いのは、その無表情は、私を無言で責めているようで。


(……私が、悪いんだけど、さ。)


視線を足元に、ただただ赦しを乞うみたいに。


やだ、なぁ。この沈黙は。


そう思った時、伏せた頭上から溜息。


瞳だけ上を向けば、無表情は変わらない。



「………それで、歩いて来たの」


呆れた声が木霊する。


それ………?