志島君が私を抱き起こした。


私の制服の解けたリボンが、だらりとだらし無く垂れ下がる。


そのリボンの先を丸めたりくしゃくしゃにしたりと、指先で弄ばれながら、ごめん、と謝られた。


その目が、あの時と同じで。


――"いやなおもいで、おもいだしちゃってさ"


何かを抱えて、何かに怯えて、何かを恐れる彼が瞼の奥に浮かぶ。


私に縋った、一瞬が。


――あぁ、鳴り止まない。


あの、悲しげな声が。


そして、その声が頭に響いた瞬間、私の口が勝手に動き出す。