「ぅおっ! ちょ、何っ!?」


驚きの余り出した声の、何とも色気のいの字も無い事。


だが志島君は呆れたように息を吐き、未だうろたえたままの私を一瞥し、牽制する。


なんだなんだと集まる好奇心丸出しの見物人が、ガヤガヤと騒ぎ立てる中二人は黙って睨み合うまま。


(……なんか私、いたたまれない気分なんだけど…)


一触即発。


そんな言葉があまりにも似合う二人の間に、バカ面した女が一人。


明らかに場違い。


(つーか女の子達みんな見てんだけど。何って、私をさ。般若みたいな目で、瞳で!)


そんな私の葛藤をよそに(ていうか聞こえないだろう)、睨み合う二人の空気が変わる。


九条がその口を開いた。