………でもさぁ。


「なぁーんか、腑に落ちないんだよね。」


確かにいつも以上に五月蝿かった。

でも、水陽のあの性格上、あれはまだ普通のラインだ。

デビューは中二だから志島君との付き合いはそれなりに長い筈。


あそこまで、怒る事?



「……うーん」


答えは出ない。


唸りながらあれやこれやと思考を巡らせていると、閉めきった教室の扉が開き、九条が出てきた。

教室から廊下に逃げてきた冷たい空気が気持ちいい。


まだ夏は完全に過ぎ去っていないのか。