けれどもさっきの志島君の言葉に爆発しかけたのも確かで。


(……もっと抑えなきゃなぁ……)


は、と短く息を吐いた。


最近は溜め息が多くなった気がする。



「………落ち着いた?」


背後から聞こえた、稚世の声。


振り向けば、軽く微笑んだ顔があった。


「……大分ね。ありがと、稚世」



そう伝えれば、満足そうに稚世がうん、と返した。


赤茶けたふわふわの巻き毛が、風に揺れる。


「志島もさ、言い過ぎちゃっただけだよ。」


――だから、気にしないで良いんじゃない?



(………そうかな。)


確かにあの言葉には、言い返す言葉も無い。


そう言われれば、そうかなって思うし。