そりゃ、あんな風に抱き合ったんだし、何と無く関係が近くなったような気もするからこそ。


そのはにかみが、ちょっと気まずい。


気にしてるかな…



先日の事をなんとか切り出そうとした、その時。



「ヒナノーッ! やっぱりE組だったんだな!」


お気楽な声が響く。


「………九条」



苛、とした声が自分から吐き出された。


その低い声に、九条が狼狽える。



「……えっ? 何、雛乃怒ってる?」


「別に?」



不機嫌な声で反せば、九条はその整った顔を少しだけ歪めた。


「何、怒ってんだよー。」