………それは、きっと。 (今の私には、全然わかんないや) 今は言葉にならないような、小さな芽で、 「………あ、おはよ。志島君。」 その芽が、育ったら、私は―――。 (力に、なりたいんだ。) きっと、私じゃなくなっちゃう。 「……おはよ。」 少しはにかみながら笑う志島君が、なんだか新鮮で。 けれども、いつもの無表情に近い志島君が恋しい。 恥ずかしい、んだよね……何だか。 慣れないっていうか、さ。