「まぁ、仕方ないよ。俺らと違って、突然こんな渦の中に投げ込まれたんだ。」
 ──俺らと、違って?
「とにかく、ここは俺が仕留めてくるから。ここで気を付けて待ってて。」
 音もなく開いたドアから教室へ入り、すぐに大きな破砕音が響く。もうそれが志之居君の仕業だとわかるほどに、何度も倒す場面は見てきたのに。
 自分も、いつ倒される側になるかも分からない状況にいる。
 その事実を思い知ったような気がして、身体を寒気が走った。
 その刹那だった。