「この部屋がこの階の最後かな……っと…!」
 突然、ついてきてるアタシを手で遮る志之居君。
「…なに?」
「見ない方がいい。下がって。」
「なに? なんなの?」
 ナイフを出そうとするアタシの手すら遮る志之居君に、少しイラッとしながら聞くと、
「…食ってるんだよ、人を。だから見ない方がいい。見えないトコまで下がって。」
 『食べる』。
 その言葉の意味を、すぐには理解できなかった。