目を向けると粉々に砕けた机と、わずかに移動した志之居君の無事。
 ようやく角度的に見えた志之居君の顔を見て、叫びかけた彼の名前を思わず飲み込んだ。
 ──笑ってる…?!
 アタシが唖然としている間に、彼は近くにあったイスを片手で掴むと、悪魔へ向けて勢い付けて投げつけた。それが悪魔の頭へヒットしたものの、何でもなかったかのように腕でイスを払いのけ、そのイスは廊下を飛び越えて窓ガラスを突き破る。