「何って言ったらいいんだろ…早瀬さんの、心の問題。」
「アタシの、心?」
「昨日,俺はすっごくオカルトめいた話をした。そういう前置きを作っておけば,単なる紙切れもかなり胡散臭く思える。そういうこと」
 志之居君の含みのある言い回し。が、言ったことをとりあえず頭の中で整理する。つまり……
「ちょ、ちょっと待ってよ、それじゃこの紙切れ,何もなかったってこと?!」
「最初はね、そうするつもりではいたんだけど。」
 また、引っかかる一言があった。
「最初は…??」